
皆さんこんにちは!
龍輝物流です。
~荷役機器と運搬技術️~
デバンニング作業では、段ボールを一箱ずつ手で運ぶ場合もあれば、数百キログラムを超える機械や建材を取り扱う場合もあります。
貨物の大きさ、重量、形状、積載方法はコンテナごとに異なります。同じ作業方法をすべての貨物へ使用できるわけではありません。
軽い荷物を大型機械で扱うと、作業スペースやコストを無駄にする場合があります。一方、重量物を無理に人力で運べば、腰痛や挟まれ事故、商品の落下につながります。
デバンニング業では、貨物の特徴に合わせてフォークリフト、ハンドリフト、ローラーコンベヤー、台車、クレーン、吊り具などを使い分けます。
今回は、デバンニング作業の安全性と効率を支える荷役機器、運搬、重量物取扱いの技術について紹介します
フォークリフトは、デバンニングで広く使用される荷役機械です。
パレットへ積まれた貨物の下へフォークを差し込み、持ち上げて運搬します。人力では動かせない重量物を短時間で移動できるため、物流現場には欠かせません。
しかし、フォークリフトは貨物を持ち上げると重心が変化します。フォークを高く上げた状態で旋回したり、斜面を横向きに走行したりすると、転倒する危険があります。
貨物はできるだけ低い位置に保ち、急発進、急停止、急旋回を避けます。
コンテナ内へフォークリフトを進入させる場合には、コンテナ床の耐荷重や状態を確認します。床板が腐食・破損していると、車輪部分へ荷重が集中し、床を突き破る可能性があります⚠️
また、トレーラーと倉庫床をつなぐスロープやドックレベラーが、フォークリフトと貨物の合計重量に耐えられるかを確認します。
フォークリフトを使用するときは、貨物の幅や奥行きに合わせてフォークの間隔を調整します。
フォーク間隔が狭すぎると、貨物が左右に不安定になります。広すぎると、パレットへ差し込めないことがあります。
フォークの長さが貨物に対して短い場合、荷物の重心を十分に支えられません。反対に長すぎるフォークが貨物の反対側から飛び出すと、その先にある商品を突き刺す危険があります。
パレットの差込口へフォークを完全に入れ、荷物がマスト側へ安定して寄る状態で持ち上げます。
海外から届くパレットは、日本国内で一般的に使用されるパレットと寸法や構造が異なることがあります。木材の厚みが薄かったり、破損していたりする場合もあります。
フォークを差し込んだ際にパレットが割れそうな場合は、別のパレットへ載せ替える、補助材を入れるなどの対応が必要です。
ハンドリフトは、パレット貨物を少し持ち上げ、人の力で引いて移動させる機器です。
フォークリフトよりも小型で、狭い場所でも使用しやすいことが特徴です。エンジンや大きな駆動装置を持たないため、倉庫内で手軽に利用できます。
ただし、貨物が重い場合、動き始めるときや停止するときに大きな力が必要です。床に傾斜があると、貨物が勝手に動き出す危険があります。
段差やスロープでの使用には注意が必要です。小さな車輪は段差へ引っかかりやすく、荷物が前方へ崩れることがあります。
ハンドリフトの最大荷重を確認し、能力を超える貨物には使用しません。
荷物を引く際には、後ろ向きに歩いて障害物へぶつからないようにします。できるだけ進行方向を確認できる姿勢で操作し、周囲の作業員と声を掛け合います
段ボール貨物を一箱ずつ取り出すバラ積みコンテナでは、ローラーコンベヤーが活躍します。
コンテナ内部から倉庫内までコンベヤーを伸ばし、その上へ荷物を載せることで、作業員が長い距離を持って歩く必要がなくなります。
作業が進むにつれて、コンベヤーの長さや位置を調整します。
伸縮式のコンベヤーを使用すれば、コンテナの奥へ作業場所が移動しても、搬送距離を確保しやすくなります。
コンベヤーを使う際は、荷物の底面が安定しているかを確認します。底が柔らかい袋物や、幅の小さい商品はローラーの間へ挟まることがあります。
重い荷物を急な傾斜で流すと速度が上がり、受取側の作業員が止められなくなる可能性があります。傾斜と搬送速度を調整し、必要に応じてストッパーを設けます。
コンベヤーの継ぎ目や可動部分に手を挟まないようにすることも重要です。
段ボールや袋物を大量に扱う現場では、作業員が同じ持上げ動作を何度も繰り返します。
一箱は軽くても、一日に数百箱を運べば、腰、肩、腕へ大きな負担がかかります。
バキュームリフターは、吸着パッドで荷物を持ち上げる補助機器です。段ボールや袋の表面へパッドを密着させ、空気を吸引して荷物を保持します。
作業員は大きな力を使わずに、荷物を持ち上げたり移動させたりできます。
ただし、表面に凹凸や穴がある貨物、通気性の高い袋などは、十分に吸着できない場合があります。
吸着パッドの大きさや形状を貨物に合わせ、持上げ前に確実に吸着しているかを確認します。
補助機器を導入することで、身体的負担を軽減するだけでなく、荷物の落下や作業速度のばらつきを抑える効果も期待できます
大型機械、金型、長尺材など、フォークリフトだけでは安全に取り出せない貨物には、クレーンやホイストを使用することがあります。
重量物を吊り上げる場合には、貨物の重量、重心、吊り点を確認します。
見た目の中心と実際の重心が一致するとは限りません。内部に重い部品が偏っている機械などは、吊り上げた瞬間に大きく傾くことがあります。
ワイヤーロープ、ベルトスリング、チェーンスリング、シャックルなどの吊り具を、重量と形状に合わせて選定します。
吊り角度が広がると、一本あたりのスリングにかかる力が大きくなります。貨物の重量だけでなく、吊り方も考慮して能力を確認します。
角の鋭い貨物へベルトスリングを直接掛けると、ベルトが切断される可能性があります。コーナーパッドや当て物を使用して保護します。
吊り上げ中の貨物の下には、絶対に人が入らないようにします。貨物の回転を制御するため、介錯ロープを使って安全な距離から方向を調整します。
鋼材、木材、パイプ、建材などの長尺物は、重さだけでなく長さによる危険があります。
コンテナから引き出す際、先端が周囲の作業員や設備へ接触する可能性があります。長い貨物は旋回範囲が大きいため、十分な作業スペースが必要です。
複数のフォークリフトで持ち上げる場合には、運転者同士の動きを完全に合わせなければなりません。
一方が先に上げたり、速度が異なったりすると、貨物が滑り落ちる危険があります。
合図者を一人に決め、無線や手合図を使って同時に操作します。
長尺物のたわみも考慮します。中央だけを持ち上げると、両端が垂れ下がったり、貨物そのものが変形したりすることがあります。
必要に応じて天秤や複数の吊り点を使用し、荷重を分散させます。
機械を使用できない貨物は、作業員が手で運びます。
荷物を持ち上げる際には、腰を曲げたまま上半身の力だけで持ち上げると、腰へ大きな負担がかかります。
荷物へ身体を近づけ、膝を曲げ、脚の力を使って持ち上げることが基本です。
重い荷物や持ちにくい荷物は、無理に一人で運ばず、複数人で持ちます。
二人以上で運ぶ場合は、誰が合図を出すかを決め、「持ち上げる」「進む」「下ろす」のタイミングを合わせます。
商品に持ち手がない場合には、運搬用ベルト、クランプ、台車などを活用します。
作業員の体力だけに頼るのではなく、機械や補助具を適切に使用することが、長く安全に働ける現場づくりにつながります
荷役機器は、作業前に点検する必要があります。
フォークリフトでは、タイヤ、フォーク、チェーン、油圧装置、ブレーキ、警報装置などを確認します。
ハンドリフトでは、車輪の摩耗、油圧の抜け、フォークの変形などを点検します。
吊り具では、ワイヤーの断線、ベルトのほつれ、金具の変形、表示された最大使用荷重などを確認します。
少し傷んでいるだけに見えても、重量物を持ち上げた際に破断する可能性があります。
異常が見つかった機器や吊り具は使用せず、修理や交換を行います。
機械の能力を把握し、正しい使い方を守ることが、デバンニングの安全を支えます。
デバンニング作業には、さまざまな機械や道具が使用されます。
しかし、高性能な機械を導入すれば、すべての作業が安全になるわけではありません。
貨物の重量、形状、包装状態、コンテナ内のスペース、床の状態、搬出後の動線などを確認し、最適な方法を選ぶ必要があります。
無理に機械を入れれば、コンテナや商品を傷つける可能性があります。反対に、機械を使うべき重量物を人力で扱えば、作業員へ大きな負担がかかります。
デバンニング業における荷役技術とは、機械を操作する技術だけではありません。
貨物と作業環境を見極め、安全性、効率、商品品質のバランスを考えながら機械や道具を使い分ける技術なのです️✨