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月別アーカイブ: 2025年5月

第8回デバンニング雑学講座

皆さんこんにちは!

龍輝物流、更新担当の中西です。

 

 

デバンニングの鉄則 ~安全・効率・品質を守る現場の掟~


前回は、デバンニング(コンテナ荷下ろし作業)の歴史をたどってきました。今回は、その作業現場で長年守られている**“プロの鉄則”**について、実務の視点からご紹介します。

デバンニングは、単なる「荷物を下ろす作業」ではありません。そこには、安全性・効率性・品質管理のすべてが求められる、熟練の技と判断力が必要です。


🚧 鉄則①:まず“安全第一”を徹底せよ

 

コンテナの中には、大型商品・不安定な積み方・高所に積まれた荷物など、予測できない危険が潜んでいます。

  • コンテナドア開封時は必ず2人以上で立ち会い

  • ドアを開けた瞬間に**荷物が崩れてくる「バースト事故」**への備え

  • 作業前にヘルメット・手袋・安全靴の装備確認

  • 換気が悪い場合はコンテナ内のガス抜き・送風も重要

 

「とにかく急げ」よりも、「とにかくケガをしない」がデバンニングの鉄則です。


📦 鉄則②:“積み方”に応じて“崩し方”を考えよ

 

コンテナ内の貨物は、縦積み・横積み・パレット積み・バラ積みなど、さまざまな積載パターンがあります。

  • 荷崩れリスクの高い積載方法は上下・左右から慎重に荷を下ろす

  • 商品に応じて、ハンドリフト・台車・フォークリフトを使い分け

  • 壊れやすい荷物(ガラス・陶器・液体類)は事前に識別・対応

 

“積まれている通り”に“戻せばいい”わけではなく、積み方に合ったデバンニング手順の組立てが命です。


📋 鉄則③:入庫前チェックと数量確認は絶対に手を抜かない

 

デバンニング作業では、コンテナ内の積荷がすべて揃っているか、破損・汚損がないかを検品するのも重要な業務です。

  • チェックリストやインボイス(貨物明細)との照合を実施

  • 箱の破損・漏れ・異臭などは写真記録+即報告

  • シリアル番号やバーコードの読み取りによるデジタル検品の活用も増加中

 

ここでミスをすると、倉庫内の在庫数にズレが生じ、最終的には顧客クレームに直結します。
「ただ下ろす」ではなく、「正しく数えて・正しく扱う」ことが鉄則です。


⏱ 鉄則④:効率よりも“段取り力”が勝負を決める

 

どんなに力持ちでも、順番を間違えれば時間と体力のムダが発生します。

  • 先に奥から下ろす→手前の荷物で退路をふさがれる

  • 荷下ろしした後の保管場所・積替えトラックの待機場所をあらかじめ確保

  • 作業チーム内で担当分担・声かけ・連携プレーを確認してから作業開始

 

「早く終わらせる」ではなく、「止まらずにスムーズに進める」ことが、本当に効率的な現場の証です。


🧹 鉄則⑤:作業終了後の“清掃・整理”がプロの証

 

荷物を全て下ろしたら、コンテナ内外の清掃や資材整理までがデバンニング作業の一環です。

  • 落下物・空箱・破損品の回収と廃棄分類

  • 使用した台車・リフトの所定位置への返却

  • 日報や作業記録の記入・提出

 

これらを**“誰に言われなくてもやる”姿勢こそ、プロの現場力**です。


✨まとめ:デバンニングは「物流の玄関口を守る最前線」

 

デバンニングは、物流のスタート地点であり、そこでのミスや遅れが後続のすべての工程に影響を与えます。

だからこそ、そこに関わる作業員には、「安全・正確・段取り・記録・整理」すべてをこなすプロ意識が求められるのです。

現代の物流を支える縁の下の力持ち、それがデバンニング職人の姿です。

次回もお楽しみに!

 

 

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第7回デバンニング雑学講座

皆さんこんにちは!


龍輝物流、更新担当の中西です。

 

 

デバンニングの歴史 〜物流革命を支えた“荷下ろし”の進化〜


今回は、物流の現場で欠かせない作業「デバンニング(Devanning)」について、その歴史的な背景と進化の過程をたっぷりと解説していきます。

普段、何気なく使っている「コンテナ」。このコンテナから貨物を取り出す作業、すなわちデバンニングは、実は現代の国際物流を支える重要工程のひとつです。では、このデバンニングという作業は、いつからどのように始まり、どのように進化してきたのでしょうか?


1. デバンニングの起源:海運と港湾作業の変遷から

 

デバンニングの起源をたどると、19世紀末〜20世紀初頭の海運時代に行われていた**港湾の「バラ積み荷役」**にたどり着きます。

  • 船が入港すると、荷役労働者(ドックワーカー)が手作業で積み荷を一つ一つ荷下ろし

  • 荷の形や重さ、大きさがバラバラで、破損・盗難も多発

  • 荷下ろしに数日〜1週間以上かかることも珍しくありませんでした

 

このような手間と時間のかかる荷役を劇的に変えたのが、コンテナの登場です。


2. コンテナの普及とデバンニング作業の誕生

 

1956年、アメリカの実業家マルコム・マクリーンによって、**貨物を専用の鉄製箱(コンテナ)に詰めたまま輸送する「コンテナ輸送」**が考案されました。

これにより、

  • 輸送中の荷崩れ・盗難が激減

  • 船→トラック→鉄道と、貨物が箱ごとスムーズに移動可能に

  • 港での積み下ろし時間が大幅に短縮

 

このとき、コンテナから荷物を取り出す作業が必要となり、デバンニング作業が誕生したのです。


3. 日本におけるデバンニングの歩み

 

日本では1960年代、東京港や神戸港においてコンテナ船の試験運用が始まり、1971年には日本初の本格的コンテナ埠頭が東京・大井に完成

以降、輸出入貨物の大半がコンテナ化されるようになり、それに伴ってデバンニング専門の事業者や作業チームも生まれました。

  • 初期は港湾労働者が手作業で対応

  • 現在では、物流倉庫や流通センターでの荷下ろし専門スタッフが担うことが主流に

  • デバンニングのスピードと正確性が、物流の流れ全体に影響を与える重要工程に


4. 近年のデバンニング:多様化と効率化

 

21世紀に入り、国際物流はさらに複雑化し、デバンニング対象の貨物も多様化しています。

  • 家電・アパレル・雑貨・食品・資材など、多岐にわたる商材

  • 冷蔵コンテナ・パレット積み・バラ積み・大型品など、作業方法も多様

  • 作業現場ではフォークリフトやハンドリフト、バーコード検品システムの導入が進む

 

さらに、人手不足への対応としてAI・ロボット化の導入実験も行われており、デバンニングの未来は今まさに進化の真っ只中にあります。


✨まとめ:デバンニングは“縁の下の力持ち”のプロの技

 

表舞台には出ないけれど、物流のスタート地点を支える最前線にあるのがデバンニングという仕事。
「コンテナの中身を的確に、迅速に、安全に下ろす」――その積み重ねが、スムーズな流通を実現しているのです。

次回は、そんなデバンニングの現場で守られている“鉄則”について詳しくご紹介します!

次回もお楽しみに!

 

 

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